新春に想う


「琵琶は琵琶でなければならない」                
中川鶴女


 明けましてお芽出とうございます。       
 新しい年と国際現代琵琶楽会の第2期目の出発に当たり、私自身も漸く落ち着いて参りました。  
 この会の発足以来、演奏者として参加させて頂き、各方面の先生方や、奏者、作曲者などの方々との新しい
出会いによって、私自身の視野を大きく広げることができましたことを嬉しく思っております。  
 そして、数々の勉強を重ねるにつれて思い出しますことは、やはり鶴田錦史先生の姿です。鶴田先生はオー
ケストラをバックにソロ演奏をするばかりでなく、エレキ琵琶を試みたりした方でした。本来の四絃四柱の琵琶か
ら五絃五柱の琵琶に移って各種の奏法を生み出し、数多くのコラボレイションを通じて新しい琵琶楽の道を開き
ました。その先生のお言葉として忘れられないのは「琵琶は琵琶でなければならない」ということです。先生が
残された鶴田流琵琶の曲の内容や演奏の様式は明らかに邦楽の伝統に沿ったものです。
 私なりに自分の琵琶楽を求め、この会から琵琶楽の更に新しい世界が生まれてくることを目指して、会員の皆
様方と力を合わせ工夫してゆきたいと思います。



<つぶやき>                   
岡野まさあき

ん べん べべん シュウーッ バチッ
明けてへいせいじゅうろくねん

ん べん

世は戦争のとき そは 今だおろそかなるや戦争のとき 人はこのおろかなるを いつまでつづくるぞォ

べん
べべん べんべん

人民による人民のための 
べん べん とはアメリカの むかしの人の云われしことなり べん べん 
その意味 するところ今びとは 
べん よくかみしめて良し 
和をもって尊しし 
べべん となり得べき世のために  今琵琶びとの琵琶を弾くべし
べん べんべん
今燃えたぎる琵琶びとの暖つき心に 琵琶弾くに  みに くきおろかな戦に 和の尊さをば 
べん
被せたもう
べん べん べべん シュウーッ バチッ



固有の文化が持つ「音」へ                            
林孝憲

 あけましておでめでとうございます。     
 年も改まり、この一年がどのような年になるか、また思いを馳せる時節となりました。
経済も文化もグローバル化の一途と言われ、危惧する声も多く聞かれる昨今ですが、近年、日本においてもグ
ローバル化とは異なる一面の遭遇することが少なくないように感じられます。若い世代の中で日本の古典芸術
や地方の文化に関心を示す動きが芽生えてきているのではないかと感じられるのです。歌舞伎や狂言、音楽
の世界で表現者の中に、若い世代へ直接アピールできる人物が現れたこともその一因ですが、受け手の若者
にも何か意識の変化のようなものが起こっているのではないでしょうか。
 この現象が一過性のものに終わってしまうのではなく、その根底に潜む固有の文化が持つ「音」、我々の持つ
原初の「音」に耳を傾ける契機であってもらいたいと望む次第です。そのとき真の意識革命が始まるのではない
でしょうか。この一年が実りあるものでありますように。

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